Case study
事例紹介
─知財の標準化─
Case 01
日本企業の強みを、
知財・標準戦略で産業競争力に
ユニコーン企業の経営者と戦略について話し合う。
ここに魅力を感じたのは、特許事務所の中でも異端児的な存在だったためです。もともとNEDOにいた私は、日本が国際ルールで世界に遅れをとり結果、産業競争力で劣ってしまったことを残念に感じていました。この課題に対して、的確な知財・標準戦略を用いることで挽回が可能になる。そう考えコンサルタントになることを決めたのです。現在、担当しているのは、工作機械や素材などのメーカーが中心です。ユニコーン企業や光る技術を有する企業など素晴らしい企業が多く毎日が刺激的ですね。商談相手となるのは、知財部門もありますが社長や事業部長などのトップ層も多く、知財・標準戦略が経営戦略であることを強く感じますね。
開発プロセスにもコミットしながらグランドデザインを描く。
私たちのコンサルティングは、技術や事業の尖った部分をどう磨けば、マネタイズできるかを顧客と検討し、グランドデザインを描いていきます。いわゆる戦略コンサルとの違いは人海戦術の調査ではなく、戦略のみに特化している点です。イメージしやすいように具体例を挙げると、リサイクルしやすい新素材を作るメーカーだとしたら、リサイクルしやすいとはどういうことか、どのように測り、その結果を示すのかを明確化するルールを作ります。ベンチャーの多くが、製品開発が完了していないことも多いため、共同開発を行うならこの企業がよい、ルールを念頭に置いた際に開発すべき項目は何かなど、開発プロセスにもコミットしていきます。また、製造面などバリューチェーンで連携する企業にも声をかけ、様々なニーズを引き出します。
たとえば、「他社製品と比較できる評価の仕組みが欲しい」「納品前に、この検査が必要」といった声を拾い規格を作り、さらに規制当局やアカデミアなども入れエコシステムを作っていくのです。こうした会話の中から新たな知財の種が出てきたり、ビジネスモデルを変えていくこともありますね。その先のステップとして新たな認証機関を作る場合もあります。そこまで行けばお客様をルールメーカーにすることができます。この仕事の難しさは、常に新たな技術に関わり続けること。理解するまでは時間がかかりますが、お客様が気づけない視点から戦略が描けた時には、やりがいを感じますね。この仕事を通して、優れた技術を産業競争力に結び付け、利用者にとっても提供者にとっても豊かな世界を実現していきたいと思っています。
プロフィール
PROFILE
仲上 祐斗
理論化学の研究により理学博士となる傍ら、AIPE認定知財アナリスト(特許)を取得。
NEDO技術戦略研究センターにてプロジェクトの企画立案及びその仕組みづくりに従事。
2020年4月にコンサルタントとして日本知財標準事務所入所。
Case 02
エンジニア出身だからこそ、
知財をビジネスにつなげる価値がわかる
設計者時代から、特許を身近に感じてきた。
高専で機械工学を専攻。その後、自動車エンジニアリング会社に入社しました。設計を担当し新たな構造を開発する度に、特許取得が絡んできたため、知財部とやりとりをすることが多かったのです。その時から、少しずつ知財の仕事に興味を持つようになっていました。
エンジニアの発想をどう言語化するかで、アイディアは発明になり、“自分のものだ”と主張できる。このプロセスに魅了されましたね。それに一技術者としても知財の知識は重要だと感じるようになっていたのです。こうしたきっかけから特許事務所に転職。たくさんの発明の権利化に関わりました。やがて、特許明細書を書くだけの毎日に物足りなさを感じるように。「せっかくの知的財産をもっとビジネスにつなげていく仕事がしたい!」そう思うようになっていたのです。そんなとき、日本知財標準事務所に出会い、入所を決めました。
これまでなかったモノの、規格をつくる
担当しているのは、新たな“規格”を策定するプロジェクトです。規格にはさまざまな種類があり、日本産業規格(JIS)や、国際的な標準を策定したISOなどがあります。こうした規格は、製造を行う上での具体的な手順が規定されているなど、品質やサービスのレベルを保つ上で重要な役割を果たしています。けれど、まだこの世にない、まったく新規なモノが開発された時には、規格そのものが存在しません。新し過ぎるものは、誰も評価ができないのです。
そんな“規格外”の価値を推し量り、新たな開発を行ったお客様と、品質の基準やものづくりの手順を整備していくことが、規格をつくっていくことです。現在は、質の高いプロダクトを全世界で展開するために、まずは性能評価の規格を作っていく段階。ゴールまでは、まだまだ長い道のりです。
知財の視点から、その可能性を広げていく。
実は、規格が出来上がるまで短く見積もっても2〜3年はかかります。そして、このプロジェクトで私の役割は、知財のキャリアを活かした知財の視点からのアドバイスです。入所からまだ半年ですが、最も楽しい瞬間は、あれこれと戦略を考えている時間です。我を忘れるほど夢中になってタブレット端末に様々な図を書いてはシミュレーションを繰り返します。「あっ、これだ!」と思うような戦略を描けたときは、やはり達成感を感じますね。その上で、お客様から「こんなことができると思わなかった」と言われると喜びは倍増。お客様が気づきにくい角度から、知財の価値に光があてられたと本当に嬉しくなります。
とはいえ、まだまだ知識も経験も足りないので、まずは目の前のケースに全力で取り組むことに集中しています。特許は取得するだけでなく、活かし方が大切です。“ものづくり”をもっと広い視野でとらえ、その可能性をはばたかせる仕事をしていきたいと思います。
プロフィール
PROFILE
川島 三喜男
機械工学専攻。
7年間エンジニアとして自動車の設計を担当。
知財に興味を持ったことから特許事務所に転職し、2020年6月に日本知財標準事務所入所。
事業内容については
こちらからご覧ください。
採用エントリーはこちらから
ENTRY PAGE
ENTRY PAGE
Business Treasure Hunting
(正林国際特許商標事務所)
ENTRY PAGE
JIPS
(日本知財標準事務所)